全力片思い
先生は全員にプリントが行き渡ったのを確認した後、説明してくれた。


「公平にチーム分けしようとみんなの体力テストの結果を見ていたんだが、今の席順がなかなかいい感じに公平に振り分けられていたんだ。それに見たところ、今の席はみんなにとっても良いみたいだし、チームワークの点でも問題ないだろ?」


ドヤ顔で話す先生に教室内が騒ぎ出す。

「まぁ、確かに」とか「いいんじゃない?」とか肯定的な意見が飛び交った。

光莉とさえ同じチームになれればいいと思っていたけれど……。


「問題ないと思います! みんなもいいだろ? このチームで」

大きな声でみんなに呼びかけたのは柳瀬だった。

するとみんな頷き始めた。

「俺も賛成です」

「私もいいと思います」


次々と上がる手。

それを見て先生は満足気に頷いた。

「よし、じゃあこのチームで問題ないな。それぞれ当日頑張れよ」

満足そうに頷くと先生はさっさと教室を出て行った。
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