全力片思い
「どうして私と笹沼くんが手を繋いでいるなんて噂が――……!」
そこまで言って頭をよぎったのは、何度か笹沼くんに無理やり腕を掴まれた場面。
そういえば私、何度も笹沼くんと傍から見たら手を繋いでいるように見える状態で通学路や、学校内を歩いていたよね?
いや、正確には引きずられていたんだけど。
「篤志は言わないけど、皆森はどうなんだよ」
「え?」
想いを巡らせていると不意に投げ掛けられた疑問。
柳瀬は探るような目で私を見ている。
「だから篤志のことだよ」
「いや、それは――……!」
「友達なんだから、相談くらいしろよな」
「誤解だから」と言おうとした私の声を遮り発せられた言葉に、目を見開いてしまう。
「ましてや俺は篤志の友達でもあるんだからさ。……俺ばっか相談乗ってもらってちゃ悪いだろ?」
「な?」と言いながら首を傾げる柳瀬に胸がギュッと締め付けられた。
そこまで言って頭をよぎったのは、何度か笹沼くんに無理やり腕を掴まれた場面。
そういえば私、何度も笹沼くんと傍から見たら手を繋いでいるように見える状態で通学路や、学校内を歩いていたよね?
いや、正確には引きずられていたんだけど。
「篤志は言わないけど、皆森はどうなんだよ」
「え?」
想いを巡らせていると不意に投げ掛けられた疑問。
柳瀬は探るような目で私を見ている。
「だから篤志のことだよ」
「いや、それは――……!」
「友達なんだから、相談くらいしろよな」
「誤解だから」と言おうとした私の声を遮り発せられた言葉に、目を見開いてしまう。
「ましてや俺は篤志の友達でもあるんだからさ。……俺ばっか相談乗ってもらってちゃ悪いだろ?」
「な?」と言いながら首を傾げる柳瀬に胸がギュッと締め付けられた。