全力片思い
なにかに躓いてしまったのか、前のめりになって倒れていた。

慌てて駆け寄り起こすものの、光莉は痛そうに顔を歪めた。

「大丈夫かっ!?」

すぐに柳瀬と笹沼くんも駆け寄ってきた。


みんなでしゃがみ込み様子を窺うと、光莉の顔は赤く染まっていく。

「ごめん、大丈夫だから」

「でも――……」


転ぶところは見ていないけれど、光莉の顔を見れば分かる。

痛いのを我慢しているって。

「本当に平気だから」


心配する私たちに笑顔を見せ、立ち上がろうとした光莉。

「痛っ」

けれどすぐにまた座り込んでしまった。

「どこか痛むのか!?」

すぐに柳瀬が聞くと、光莉は右足首を手で押さえた。
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