全力片思い
「……ちょっと捻っちゃったかもしれない」
「嘘、大丈夫!? 待ってて、先生呼んでくるから」
すぐに立ち上がり、近くにいるはずの先生の姿を探しているときだった。
「篤志、俺の荷物頼む」
背後から聞こえてきた声に振り返ると、笹沼くんに強引に自分のバッグを押しつけ、迷うことなく柳瀬は光莉の腕を自分の肩に回させた。
「え、柳瀬くんっ!?」
驚く光莉には目もくれず両足の膝裏に手を入れると、軽々と光莉を抱き抱えた。
光莉をお姫様抱っこして立ち上がる柳瀬に、私も笹沼くんも唖然としてしまう。
「先生のところに小松崎さん連れていった方が早い」
私たちにそう言うと、光莉をしっかり抱き抱えたまま柳瀬は駆け足で先生を探しに行ってしまった。
残された私たちは、ただ呆然とふたりを見送ることしか出来ない。
び……っくりした。
柳瀬ってば急に光莉のこと――……。
徐々に小さくなっていく柳瀬の後ろ姿。
無意識に過去の記憶と重ねて見つめてしまった。
「嘘、大丈夫!? 待ってて、先生呼んでくるから」
すぐに立ち上がり、近くにいるはずの先生の姿を探しているときだった。
「篤志、俺の荷物頼む」
背後から聞こえてきた声に振り返ると、笹沼くんに強引に自分のバッグを押しつけ、迷うことなく柳瀬は光莉の腕を自分の肩に回させた。
「え、柳瀬くんっ!?」
驚く光莉には目もくれず両足の膝裏に手を入れると、軽々と光莉を抱き抱えた。
光莉をお姫様抱っこして立ち上がる柳瀬に、私も笹沼くんも唖然としてしまう。
「先生のところに小松崎さん連れていった方が早い」
私たちにそう言うと、光莉をしっかり抱き抱えたまま柳瀬は駆け足で先生を探しに行ってしまった。
残された私たちは、ただ呆然とふたりを見送ることしか出来ない。
び……っくりした。
柳瀬ってば急に光莉のこと――……。
徐々に小さくなっていく柳瀬の後ろ姿。
無意識に過去の記憶と重ねて見つめてしまった。