全力片思い
一年生の頃から最近のものまである。

どの写真もお互い楽しそうに笑っているものばかり。


「あっ、これ笹沼くんだ」

不意に目に入ったのは幼い頃の笹沼くんと光莉だった。


笑顔の光莉の隣で笹沼くんはそっぽ向いているけれど、どことなく照れているようにも見える。


もしかして笹沼くんはこんなに幼いころから光莉のことを、ずっと想ってきたのかな……?

「ごめんね、お待たせ。あっ、写真?」

「うん、勝手に見ちゃってごめん」

「そんなことないよ。全然見ちゃって」


そう言いながら光莉はテーブルに紅茶とお菓子を並べてくれた。

「どうぞ」

「ありがとう」

テーブルを挟んで向かい合って座り、光莉が淹れてくれた紅茶を飲んだ。

「美味しい……」

「本当? ならよかった」
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