全力片思い
言い返すと笹沼くんは目を白黒させた。
「わっ、私だって最初は心から応援できなかったよ? ふたりがうまくなんていって欲しくなかった。……でもあんな柳瀬を見ちゃったら、居ても立ってもいられないよ。力になりたい。……笹沼くんは違うの? 光莉が辛いくせに無理して笑っている顔を見ても、平気でいられる? 見守っていようって言える!?」
話している途中で感情は昂ぶっていき、声を荒げてしまう。
笹沼くんは圧倒されたようにたじろいた。
その姿にハッと我に返る。
やばい、私ってば感情的になりすぎ。
笹沼くんには笹沼くんの考えがあるのかもしれない。
見守ることだって優しさだよね。
冷静になれば理解できる。でもいくら理解しても自分とは違う思考に、苛立ちを押さえることは出来なかった。
ちょうど降りる駅に到着し、ドアが開く。
「……っごめん、先に行くね」
後悔はない。
正直な私の気持ちだから。
でも笹沼くんの顔が見られなくて、逃げるように電車から降りた。
そのままホームを抜け改札口も駆け足で進んでいく。
「わっ、私だって最初は心から応援できなかったよ? ふたりがうまくなんていって欲しくなかった。……でもあんな柳瀬を見ちゃったら、居ても立ってもいられないよ。力になりたい。……笹沼くんは違うの? 光莉が辛いくせに無理して笑っている顔を見ても、平気でいられる? 見守っていようって言える!?」
話している途中で感情は昂ぶっていき、声を荒げてしまう。
笹沼くんは圧倒されたようにたじろいた。
その姿にハッと我に返る。
やばい、私ってば感情的になりすぎ。
笹沼くんには笹沼くんの考えがあるのかもしれない。
見守ることだって優しさだよね。
冷静になれば理解できる。でもいくら理解しても自分とは違う思考に、苛立ちを押さえることは出来なかった。
ちょうど降りる駅に到着し、ドアが開く。
「……っごめん、先に行くね」
後悔はない。
正直な私の気持ちだから。
でも笹沼くんの顔が見られなくて、逃げるように電車から降りた。
そのままホームを抜け改札口も駆け足で進んでいく。