全力片思い
昨日の今日でこれにはさすがにショックだ。

柳瀬の気持ちは痛いほど分かる。

好きな人に会えないと一日ブルーになっちゃうし、つまらないもの。

私だってそうだ。
柳瀬と会えない日は酷くつまらない一日になる。


だからこそショックだった。
私が柳瀬を想うように、柳瀬も光莉のことを想っているのかと思うと。


「皆森、なにやっているんだよ」

不意に掛けられた声にいつの間にか下げていた頭を上げると、柳瀬は不思議そうに私を見据え首を傾げていた。


「早く行かないと遅刻しちまうだろ? 行くぞ」

二、三メートル先にいる柳瀬は、首で早く来いと合図を送ってくる。

偶然会っただけ。

それなのに柳瀬は一緒に行くのは当たり前と言うように、早く来いと急かしてくる。


柳瀬にとって私は友達のひとり。

だから一緒に登校するのは当たり前のことなのかもしれない。

けれど私は違う。
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