全力片思い
本当に私ってばダメすぎる。

ますます申し訳ない気持ちになっちゃったよ。

それなのに笹沼くんは、そんなことないと言うように首を横に振った。


「もどかしいかもしれないけどさ、まずは待ってやろう。光莉から話してくれるの」

「……うん、そうだね」


どんな思いで光莉が柳瀬の告白を断ったのか分からない。

でも笹沼くんの言う通り、光莉は必ず話してくれると思うから。


焦っていた気持ちは次第に薄れていく。

感情的になりすぎだよね、私。

いつもそうだ、冷静に考えればいいのに。


それから笹沼くんと肩を並べ、学校へと向かった。



笹沼くんに言われて、光莉から話してくれるのを待とうと思えたものの、その日の柳瀬を見るたびに、決心は揺らいでいった。


明らかに無理しているし、カラ元気。

光莉が休みって知ってますます拍車をかけた。


光莉の気持ちも大切にしたいけど――、一日中柳瀬の無理している姿を見ると、胸は痛むばかりだった。
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