全力片思い
固く手を繋いだまま歩き出す。


街に溢れるたくさんの人。

それぞれがみんな幸せそうだった。


私の目に幸せそうに映るように、みんなの目にも私と笹沼くんは幸せそうに映っているのかな?


未来のことなんて、どうなるか分からない。

今でもこの選択は正しかったのか自信ない。


もしかしたら私は、笹沼くんのことを好きになることができず、傷つけてしまうかもしれないし。


でも後悔はしたくない。


もう二度と後悔する生き方はしたくないんだ。


チラリと隣を歩くカレを見れば、すぐに気づかれ「どうかした?」と優しい声を掛けてくれる。


たったそれだけで、不思議と笹沼くんのことを傷つけるような未来はこない気がした。
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