全力片思い
「早く帰ろう」
ひとりごとを呟き教室を後にしようとしたとき。
「待って」
「――え? わっ!?」
急に呼び止める声が聞こえてきたと思ったら、私の動きを止めるように掴まれた腕。
思わず声を漏らしながらも振り返り見上げた先には、鋭い瞳で私を見下ろす笹沼くん。
なにも言われていないのに見下ろされているだけで無意識に「すみません」と言ってしまいそうになった。
それくらいカレはいつも威圧的に見えてしまうのだ。
「えっと……なに?」
腕を掴まれた状態の中、さり気なく後退り距離を広げてしまう。
それを察知したのか、笹沼くんは一歩私に近づき言った。
「コレ担任に頼まれたんだ。だから一緒に来ない?」
「…………へ?」
随分と間抜けな声が出てしまった私の前に見えるように差し出されたのは、帰りのHRで配られた手紙だった。
ひとりごとを呟き教室を後にしようとしたとき。
「待って」
「――え? わっ!?」
急に呼び止める声が聞こえてきたと思ったら、私の動きを止めるように掴まれた腕。
思わず声を漏らしながらも振り返り見上げた先には、鋭い瞳で私を見下ろす笹沼くん。
なにも言われていないのに見下ろされているだけで無意識に「すみません」と言ってしまいそうになった。
それくらいカレはいつも威圧的に見えてしまうのだ。
「えっと……なに?」
腕を掴まれた状態の中、さり気なく後退り距離を広げてしまう。
それを察知したのか、笹沼くんは一歩私に近づき言った。
「コレ担任に頼まれたんだ。だから一緒に来ない?」
「…………へ?」
随分と間抜けな声が出てしまった私の前に見えるように差し出されたのは、帰りのHRで配られた手紙だった。