全力片思い
そもそもあの場面を見ていなかったら、タオルを掛けたのが私だって分からないことだ。
じゃあ笹沼くんはあのとき、私の知らないところで一部始終を見ていたんだ。
実感すると急激に恥ずかしくなっていく。
あのときの私はとにかくいっぱいいっぱいだった。
顔も赤かっただろうし、行動もぎこちなかったように見えていたはず。
なら気づかれてしまった……?
私の気持ちを笹沼くんに。
なんて言ったらいいのか分からなくなる。
いや、私が勝手に気づかれたと思っただけで、そうではないのかもしれない。
第一笹沼くんって恋愛にも私にも興味ないだろうし!!
理由を並べて必死に自分に言い聞かせていると、笹沼くんは掴んでいた私の腕をゆっくりと離していく。
初めて真正面で見る彼の素顔――。
真剣な面持ちで見つめられると、無意識に胸が高鳴ってしまう。
今なら少しだけ分かるかもしれない。
笹沼くんがカッコイイと言って騒ぐみんなの気持ちが。
じゃあ笹沼くんはあのとき、私の知らないところで一部始終を見ていたんだ。
実感すると急激に恥ずかしくなっていく。
あのときの私はとにかくいっぱいいっぱいだった。
顔も赤かっただろうし、行動もぎこちなかったように見えていたはず。
なら気づかれてしまった……?
私の気持ちを笹沼くんに。
なんて言ったらいいのか分からなくなる。
いや、私が勝手に気づかれたと思っただけで、そうではないのかもしれない。
第一笹沼くんって恋愛にも私にも興味ないだろうし!!
理由を並べて必死に自分に言い聞かせていると、笹沼くんは掴んでいた私の腕をゆっくりと離していく。
初めて真正面で見る彼の素顔――。
真剣な面持ちで見つめられると、無意識に胸が高鳴ってしまう。
今なら少しだけ分かるかもしれない。
笹沼くんがカッコイイと言って騒ぐみんなの気持ちが。