全力片思い
私と一緒ってなに? どういう意味なの?

そもそもなにに対して一緒だと言っているのだろうか。


疑問が増す中、その答えを導くかのように笹沼くんが口を開いた。

「皆森さんが今、悩んでいることってなに? ……俺はそれと同じだって言っているの」


悩んでいること? それを言ったらもちろん恋愛に関してだけど……え、ちょっと待って。

それってつまり、笹沼くんも私と同じように恋愛で悩んでいるってこと?

しかも一緒ってことは、片思い中でその相手には好きな人がいるってことなのかな?


次々と浮かぶ答えと、最後に辿り着いたもの――。


「……もしかして笹沼くんの好きな人って、光莉……なの?」

いつも他人には関心を示さない人だと思う。

教室でもひとりでいることが多いし、よく話す相手といったら柳瀬くらいだ。


そんな笹沼くんがどうして昨日、素直に先生に言われた通り光莉の家に手紙を届けに行ったのか。

どうして光莉が喜ぶからって理由で私を誘ったのか。


その答えは笹沼君が光莉のことが好き、だから……?

疑心暗鬼になりながら問いかけると、笹沼くんの眉が動いた。
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