全力片思い
やっと状況が飲み込めるとガックリ項垂れた。

最悪だ。全校生徒の前で倒れるとか。


「あっ、終業式は?」

カーテンに周囲を覆われていて時計で時間を確認することが出来ない。

「もう終わったわ。下校時刻も過ぎているしね」

「……そんなに時間が経っていたんですね」


驚き目を見開いてしまう。

自分が思った以上に長い時間、眠ってしまっていたようだ。

「家に連絡入れたけど出なかったから、ご両親はお仕事中かしら?」

「はい、共働きで……」

「やっぱりそうなのね。大橋先生が目を覚ましたら送っていくって言っていたから、連絡してくるわ」

「すみません」

大橋先生は、私の担任の先生だ。
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