全力片思い
先生はカーテンを閉め、内線で大橋先生へ電話をかけ始めた。

先生の声が耳に響く中、ある疑問が思い浮かぶ。

倒れた私がここで眠っていたってことは、誰かがここまで運んできてくれたってことだよね?


「皆森さんの荷物を持って大橋先生が迎えに来てくれるそうよ、起きられるかしら」

電話を終えた先生が戻ってくると、カーテンをすべて開けてくれた。

終業式のこの日は午前中で学校は終わり。

すでにお昼が過ぎていて、グラウンドでは野球部とサッカー部、陸上部などの練習が行われていた。

「大丈夫です」

寝たらだいぶ良くなったし。

布団を捲り起き上がった。


「頭は打っていないようだけど、もし後から痛みを感じたらすぐに病院へ行きなさいね」

「はい。……あの、ひとつ聞いてもいいですか?」

ベッドから立ち上がり、先生に一歩近づいた。

「私をここまで運んでくれたのは、大橋先生ですか?」
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