全力片思い
だって高校生になってから柳瀬とふたりっきりで帰るなんて初めてだから。

それに嫌でも気になっちゃうじゃない?

「話がある」なんて言いながら、頬や耳を真っ赤にさせられたら。


あの日から三日が経つ今日だからこそ余計に。

トクントクンと胸を高鳴らせながら、柳瀬と共に学校を後にした。



柳瀬に連れられてやって来たのは、落ち着いた雰囲気のカフェだった。

女子なら誰だって好きそうな内装にメニュー。

こんなところに連れて来られてしまったら、ますます期待してしまう。


「で、話って?」

もちろん顔には出さないように冷静を保ち、注文したアイスココアを一口飲んだ後、なにも言わない柳瀬に思い切って切り出した。


すると途端に柳瀬の顔は変化していく。

「いや……まぁ、その……」

さっきまでの威勢はどこへやら。

一気にどもってしまい、忙しなく目を泳がせる柳瀬。
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