全力片思い
嬉しそうに話す光莉に「それは違うよ」と言いそうになってしまった。
喉元まで出かかった言葉を必死に飲み込む。
笹沼くんは光莉のこと、兄妹みたいな存在だって絶対思っていないよ。
光莉のことを守って庇ったり優しくしてくれるのは、光莉のことが好きだから――。
そこで初めて気づく。
笹沼くんはそんなに前から光莉のことを想っていたのかもしれないと。
自分のことばかりで、笹沼くんの気持ちなんて考えられなかったけど……。
笹沼くんはどんな思いで光莉への気持ちを封印したのかな?
ずっと昔から一緒にいるのに、光莉はまったく笹沼くんの気持ちに気付いていないようだし。
そこまでして光莉に自分の想いを伝えない意図はなに?
私のように勇気が出なくて、今までズルズルきてしまっただけ? それとも――。
「私は誰よりも篤志に幸せになってもらいたいの」
「え?」
考えを巡らせているときだった。
「家族のように大切な存在だから、幸せになってほしい。だから高校で篤志に柳瀬くんみたいな親友ができて嬉しかったの。……これで素敵な彼女ができれば、なにも言うことないんだけどね」
なぜだろう、胸がモヤモヤする。
喉元まで出かかった言葉を必死に飲み込む。
笹沼くんは光莉のこと、兄妹みたいな存在だって絶対思っていないよ。
光莉のことを守って庇ったり優しくしてくれるのは、光莉のことが好きだから――。
そこで初めて気づく。
笹沼くんはそんなに前から光莉のことを想っていたのかもしれないと。
自分のことばかりで、笹沼くんの気持ちなんて考えられなかったけど……。
笹沼くんはどんな思いで光莉への気持ちを封印したのかな?
ずっと昔から一緒にいるのに、光莉はまったく笹沼くんの気持ちに気付いていないようだし。
そこまでして光莉に自分の想いを伝えない意図はなに?
私のように勇気が出なくて、今までズルズルきてしまっただけ? それとも――。
「私は誰よりも篤志に幸せになってもらいたいの」
「え?」
考えを巡らせているときだった。
「家族のように大切な存在だから、幸せになってほしい。だから高校で篤志に柳瀬くんみたいな親友ができて嬉しかったの。……これで素敵な彼女ができれば、なにも言うことないんだけどね」
なぜだろう、胸がモヤモヤする。