全力片思い
私はこれからどうしたいのかな?

光莉にも柳瀬にも自分の気持ちを隠し通していくの? 自分の気持ちを押さえこめる?


かといって今さら柳瀬に告白なんてする勇気ない。
協力するって言ったのに、言えるわけないよ。


光莉にだって……言えない。

眩しいくらい純粋な光莉に対して、私の心の中は真っ黒だ。

光莉はなにも悪くないのに勝手に嫉妬して、嘘ついている。


本当の私の心の中を知ったら、きっと光莉は私を軽蔑しちゃうでしょ? 嫌になるはず。

だから私は言えない。……誰にも自分の気持ちを伝えることは出来ないよ。



「それじゃまた明日、気をつけて帰れよ」

帰りのHRが終わると、一斉に教室内は騒がしくなる。

「ごめん萌、バイトだから先に帰るね」

「うん、気を付けてね」

今日はいつもよりバイトに入る時間が早いようで、HRが終わるとすぐに光莉は教室を飛び出していった。

風邪が治ったばかりなのにバイトなんて心配だけど、正直別々に帰ることになってホッとした。
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