全力片思い
「柳瀬……?」

堪らず声を掛けると、柳瀬は声を絞るように言った。


「俺たち、何年一緒にいると思っているんだよ。……皆森が元気ないことくらい、嫌でも気付くわ。それなのに嘘つくんじゃねぇよ」

「痛っ」


コツンと頭をげんこつされ、声を漏らしてしまう。

すぐにげんこつされた箇所を手で押さえてしまうと、柳瀬はクスリと笑った。


「今朝のことが原因じゃないなら、他に理由があるんだろ? ……俺たちは友達だ。辛いときはいつでも頼れよな」

ハニかむ柳瀬に胸が締めつけられていく。


複雑な感情が込み上げてくる。

嬉しくて切なくて苦しい。

柳瀬のそばにいたかった。

そんな自分が招いた結果がコレなんだと思う。


柳瀬は私のことを友達だと言ってくれる。
だから頼れって。

それは嬉しい反面、柳瀬に恋心を抱いている私には残酷な言葉――。
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