aeRial lovErs
天候、快晴。

気象情報も、異常はない。
すでに洋上に出でいる。

隊列としては、甲を中心に、前方上側の左右に乙1、乙2。

前方下側に乙3、乙4。

甲の後方、同高度に乙5、乙6。

甲の真下に私、乙7と云うはいちだ。

C国まで後一時間程度、日暮れにも充分間に合う。

このまま上手くいけばの話しだが。

「レーダー異常無し、各機進路を保て。」

定期報告に対して了解の返答が帰って来る。

計器からは、異常を示すアラームは見られない。

それでも、私は忙しなく計器のチェックを繰り返す。

大きな変化は見られないがチリチリと嫌な空気が漂っている。

首筋に感じる痺れる様な感覚。

「乙7より各機、先行して偵察する。」

『乙6より乙7、先走る必要もあるまい。』

通信してきたのは柿原と言う熟練の乗り手だ。

「嫌な予感がする。」

『無茶はするな。』

「了解。」

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