aeRial lovErs
すれ違う黒い兎が頭の中を真っ白にした。

気が付いた時は全力で機体を旋回させていた。

「乙7より各機、3年前の笹島防衛戦にいた敵を発見、かなり、やり手だ。」

『乙5より乙7黒兎か?』
「・・・そうだ。」

私は、声を絞りだす。

乙5の泉谷も3年前の戦闘に参加していた。

既に敵はミサイルを発射しはじめている。

「くそったれが。」

『7、甲に付け!戦闘は任せろ!』

泉谷の怒鳴り声が響く。

「乙7、可能な限り。」

応えながらも目は黒兎を追う。

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