aeRial lovErs
黒兎は、高崎の照準を上下左右に軽やかにかわしながら、ついでの様に一発ミサイルを放つ。

次の瞬間、パッと閃光が奔る。

それに乗じて黒兎は高崎の後ろを取る。

「乙1、大破、脱出は確認出来ない。」

報告の後、私は唇をきつく噛みしめる。

「くそったれがぁ!」

力任せに操縦桿を倒す。

過負荷に機体をきしませながら、いまだ、後ろを取られたままの高崎の方へと乱暴に機首を向ける。

高崎の後ろを取った黒兎は、いたぶる様に機銃をパラパラと放っている。

『三島ぁ、やめとけ!!』

泉谷の叫びは、私にはもう意味の無い雑音になっていた。

私の中の死神が眠い目を擦りながらも目覚め初めていた。

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