aeRial lovErs
高崎の甘い動きに乗じて黒兎が照準を合わせるのを感じる。

このままでは間に合わない。

私は、スロットルを開放しながら右へと旋回しようとする。

エルロンが機体を持ち上げようと風を掻く。

主翼がしなって風が逃げる。

機体が上手く傾かない。

「くっそおぉ!曲がれえ!」

願いを込め握る操縦桿がふっと軽くなる。

左翼が下方から風を受ける様な感覚。

フワリと機体が思う方向に旋回する。

そのままな勢いで降下、黒兎と高崎の間付近目がけて照準も合わさずミサイルを発射する。

海面が大きく爆ぜる。

黒兎は素早く進路を変更して避ける。

高崎は・・・無事だ。

黒兎は、回避した、そのままの方角で加速している。
「タイムアップだな。」


私は、ほっと肩の力を抜く。

C国の援軍がもうすぐそこまで来ている。

「間に合った。」
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