たったひとつの恋をください




立ち尽くしていると、ポンッ、と背中を叩かれた。


「大丈夫だって。そんな緊張しなくても」


「う、うん。そうだね」


私はぎこちない笑顔で頷いた。



だけどーー。



『大丈夫』



不思議だ。そのたった一言で、少しだけ心が軽くなった。


一人じゃないんだって、思い出させてくれた。



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