たったひとつの恋をください
第七章 「光の雨」
朝七時。
いつも通りの時間に起きて、顔を洗ってから、リビングの電気をパチンとつける。
棚にある袋からトーストを一枚取り出し、オーブンにセットしたところで、ドアがガチャリと開いた。
まだパジャマ姿のお母さんが、眠そうにあくびをしながら入ってくる。
「おはよう七瀬」
「おはよう。今日は珍しく遅いね」
別にこういう日だってたまにはあるけれど、大抵私が起きるより先にお母さんはもう仕事に行ってるから、ちょっとびっくりした。