たったひとつの恋をください
流星群の空ってどんなだろうって考えてた。
だけど見たこともないその景色はまるで夢みたいで、全然形にならなくて、ただ、すごいんだろうなっていう幼稚な想像しかできなかった。
でも、今目にしている景色は、予想をはるかに超えていた。
私たちの頭上を流れる、数百数千の流れ星。
もう誰もいちいち騒がないくらいいっぱいに、辺りを包み込む眩しい光の雨。
それは本当に、雨みたいだった。こんなにたくさんの光の雨が、この街の上に降り注いでいる。
すぐ隣には君がいて、一緒の空を眺めてる。
この、奇跡みたいな景色を。
「な、来てよかっただろ?」
いつの間にか隣にいた蓮が、得意げに微笑んで言った。
ーーめんどくさいなんて言ってたくせに、偉そうに。
だけどそんなことは言わずに、私は頷いた。
「うん。よかった」
こんな輝く空の下では、どんな強がりだって、意味なんてないような気がした。