たったひとつの恋をください
第八章 「本当の願い」
中間テストが終われば、学校内はすっかり文化祭ムード一色になった。
一ヶ月後のその日に向けて、もうすでに準備を始めているクラスも多く、みんな気合いが入っている。
校内が日に日にカラフルに色づいていくのが目に見えるようなこの季節だけれどーー、
一年前のこの時期、私は学校を休みがちだった。理由は、行きたくなかったから。
学校に行けば、みんなが楽しそうで、放課後も遅くまで残って準備してて、でもそこに、私の居場所なんてなかった。
学校に居るのが嫌で、でも一人で家に居るのも嫌で、どこにも居たくなくて、でもどこにも行く場所なんてなくて。
どんなに目の前がカラフルに染まっていっても、私の目には変わらず、退屈なモノクロの世界にしか見えなかった。