たったひとつの恋をください

『これからも今まで通り、友達でいてくれる？』



太一は昨日、そう言った。


私は頷いたけれど、実際にそうできている自信なんて、これっぽっちもなかった。


私はあんな風に切り替え上手じゃないし、それ以前に何が普通なのかだってよくわからないし。


そんなことを考えていたから、


「ところでナナちゃん。昨日、太一くんと何かあったでしょ？」


「えっ！？」


琴里の突然の質問に、つい大げさに反応してしまった。


「え、な、なんのこと？」


なんてとぼけてみるけど、完全に目が泳いでるのは自分でもわかっていた。


「当てようか？告白された、とか」


「…………」


びっくりして、動揺しすぎて、とっさに声が出なかった。だけどそれが答えになってしまっていた。