たったひとつの恋をください
第十四章 「歪な関係」
まるで夢の中にいるみたいに、夜が輝いていた。
キラキラ光るイルミネーションが、真っ暗な夜空から舞い落ちる雪を花びらみたいに照らしていた。
そんな美しい景色の中で、蓮が私に話してくれたことは、私が想像していたよりもずっと、衝撃的なことばかりだった。
決して、楽しい話なんかじゃなかった。
二人の過去と今。抱えた痛みや苦しみも、全部、この耳で聞いた。
二人がどれだけ悩んで、苦しんで、色んなものを乗り越えて今があるのか、痛いほどよくわかった。
聞くのが辛かった。だけど、聞かなきゃいけないと思った。
全てを話し終えた蓮は、今まで見たことがないほど苦しそうで、弱って見えて。
手を、差し伸べたいと思った。力いっぱい抱きしめたかった。
でも結局、触れることすらできなかった。
私が弱っているとき、君は強く抱きしめてくれたのに。