たったひとつの恋をください
『俺がそばにいたって、結局、琴里の本当の恐怖を取り除いてやることなんてできなかった。そばにいれば大丈夫とか、そんなの勘違いだったんだって……このままじゃダメなんだって、あのとき、やっとそれに気づいたんだ』
過去に負った傷は消えない。
もう充分償ったなんて、これっぽっちも思ってはいないけれど。
それでも、いつかは断ち切らないといけない。
今までの関係を切り捨てるんじゃなく。
お互いが前に進むために、離れるべきなんだ。