たったひとつの恋をください
横になったまま、部屋着に着替えもせずに、制服のまま寝てしまおうかと思った。
でも、こんなときに限って、眠気はまるでやってきてくれない。
棚に立てかけてある映画のDVDも、少女漫画も、流行りのアルバムも。部屋にある暇つぶしグッズだって、今は少しも役に立ちそうになかった。
ゴロンとうつ伏せになって、はあ、と深いため息を枕に落としたそのとき。
枕元に置いていたケータイが、突然、鳴り響いた。