たったひとつの恋をください
たった一日学校に行っただけなのに、なんだかものすごく疲れた。体力もだけど、神経がすり減ってる感じ。
一番の原因はもちろんあいつーー蓮だ。
自分の部屋に戻ってすぐに、ベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。
今の私を見たら、蓮はきっと笑うんだろうな。
たった一回のキスくらいで動揺しすぎだろって。
きっとあいつにとっては、キスなんてただの遊びみたいなものなんだろう。キスは挨拶とか、外国人みたいなことだって普通に言いそうだ。
やけ食いしてみたり、枕にボスボス拳をぶつけて八つ当たりしてみるけれど、そんなのに全然意味なんてなかった。むしろ、惨めさが余計に増しただけ。
……もう、こうなったら。
私は少し体を起こして、壁にかけてあるそれを見上げた。