たったひとつの恋をください
三日前ーー。
『今度の土曜日、試合見に行かない?』
補習の休憩時間に、琴里が唐突に言い出した。
『試合?』
『そう、バスケ部の応援』
『え、やだ』
『即答!?』
『だって私、バスケなんてよくわかんないし』
『えー?わかんなくても、見てればおもしろいよぉ』
『ていうか普通に興味ない。めんどくさい』
『な、なんかナナちゃん、最近ハッキリ言うようになったね……?』
『だってハッキリ言わないと伝わらないってわかったから』
琴里に関しては、特に。
『うう……っ』
『泣くほど!?』
『だって、久々の試合なんだもん。ね、行こうよ行こうよ行こうよーーーーーっ!』
うざっっっ!
私がハッキリ言うようになったぶん、琴里の強引さも前よりパワーアップしてるのはたぶん気のせいなんかじゃないはずだ。