【企】キミは今日も、瞼を重そうにしている。
「サンちゃん……」
「最近、どこか元気ないのは、そのせいなんじゃない?」
「!!」
気づいていたの?
私自身も、気づかないように、していたのに。
「素直になりなよ、林檎ちゃん」
目を……背けていたのに。
「林檎ちゃんは、誰が好きなの? 僕にこっそり、教えてくれない?」
どうして、今、目をあけるの?
言いにくく、なるじゃない。
「それは……」
「それは?」
恋かもしれないと思う度に
多分、恋じゃないと思い込んで。
「…………」
わからないのでも
知らないのでもなく
「こっちおいで、林檎ちゃん」
わかろうとも、知ろうともしてこなかった……