不器用男子に溺愛されて
episode * 02
「はあっ⁉︎ 何よ、それ!」
翌日のお昼休憩の時間。私は、咲ちゃんと加奈代さんの三人でお弁当を食べていた。
普通に他愛もない話をしていたところ、突然二人から何か言うことはないかと尋ねられ、昨日のことを相談してみると加奈代さんが大声を出して怒り始めたのだ。
「あんの、性悪野郎。あり得ない」
「流石にそれはないわ。他の子に性悪男子って呼ばれるだけはあるわね。あの性悪野郎。ちょっと賢くて仕事できるからって……」
加奈代さんをはじめ、普段優しい咲ちゃんまで理久くんのことを〝性悪野郎〟と呼び始めてしまった。
「理久くんは、私がこれ以上この会社に迷惑かけないようにって気遣ってくれてるのかもしれないし、もしかしたら私と同じ会社で働きたくないのかもしれないし……どの道、私は違うところで働いた方が良さそうだよね」
「みや子……」
「みや子ちゃん、あんな奴のこと気にすることないわ!私が、可愛いみや子ちゃんのためにガツンと言ってやろうじゃないの!」
「あ、いや!いいんです!加奈代さん!理久くんの言ってることは合ってると思うので」
私なら大丈夫です、と付け足して笑ってみる。すると、咲ちゃんと加奈代さんがすごく心配そうに私を見た。