不器用男子に溺愛されて
私と咲ちゃんと森田さんは、最近話題になっているパンケーキのお店へと入った。こんなところで良いのだろうかと森田さんを気にしたのだけれど、どうやら森田さんも大の甘いもの好きらしく、私達はまるで女子会のようなテンションで三人店内へと入った。
パンケーキを頬張りながら他愛もない話をする。パンケーキも残り半分を切りそうだという頃、森田さんが本題を切り出した。
「小畑ちゃんさ、まだ堀川のこと好き?」
突然の問いに、私は一瞬目を丸くした。だけど、すぐに首を縦に振った。
「もちろん、好きです。嫌いになることなんて絶対にないです。だから、ずっと、ずっと、好きでいると思います」
ナイフとフォークを持つ手を止め、私はそう答えた。すると、森田さんは「だよね」と言って笑った。
「君たち、どうしてそんなにうまくいかないんだろうね。……いや、違うな。堀川が素直じゃないからいけないのか」
森田さんは既にペロリと平らげていたらしいパンケーキのお皿あたりに視線を落としながら口角を上げた。
「ちょっと、何意味深な言い方してるのよ。どういうこと。私たちに分かるように言って」
咲ちゃんが森田さんの横からそう言った。すると森田さんは「分かった分かった」と言ってまた笑った。