不器用男子に溺愛されて
episode * 04
「お……おはよう」
「ん。おはよ」
理久くんと何とかよりを戻すことができた私は、よりを戻した翌朝、会社の廊下でばったり理久くんと会い久しぶりに社内で挨拶を交わした。
何となく照れくさくて、少し緊張もしたけれど、ほんの少しだけ口角を上げて返事を返してくれた理久くんに頬を緩ませながら私はオフィスへと入った。
「咲ちゃん、咲ちゃん!おはよう!あのね、実は昨日……元サヤに戻ったの」
オフィスへ入った私は、一目散に自分の席へと足を運ぶと、隣の席の咲ちゃんに昨日の出来事を報告した。私の言葉を聞いた咲ちゃんは、丸く目を開いた後、その目を三日月型にして笑った。
「本当? そっかあ、良かった」
森田さんも喜ぶだろうね、と付け足した咲ちゃんの一言に、私は森田さんにも後で直接知らせないといけないなと考えた。既に理久くんから聞いているとは思うけれど、森田さんにも沢山お世話になったし、それに、お礼もちゃんとしたい。
「本当にありがとう、咲ちゃん」
「ううん。私は何もしてないよ。頑張ったね。みや子」
咲ちゃんに優しくそう言われた私は、少しばかり潤んだ瞳を隠すかのように瞬きをして、一度だけ笑って頷いた。