レモン・キャンディー【短編】
「なんつーかもう、よくぞ聞いてくれた!ってカンジ♪
めちゃめちゃ円満だよ(笑)超幸せ!」
大地は、今まで見たことのないような笑顔でそう言った。
「そっか・・・よかった!!」
それだけ言うと、あたしは逃げるようにその場を去った。
そうだよ。
好きな人が今幸せなんだから、応援してあげなきゃ。
好きな人の幸せが1番だもん。
応援、しなきゃ・・・
気持ちとはウラハラに、涙ばかりが零れた。
いくら大地が幸せでも、こんなの悲しすぎるよ。
小説や漫画みたく、純粋に好きな人の幸せを願って身を引くなんて、あたしできないよ。
・・・こんなアタシは、嫌な子ですか?