レモン・キャンディー【短編】
インターホンから響く、低い大好きな声。
「速水です・・・ってか、莉子です」
「おう!どした!今から行く~」
階段をドタバタ駆け下りてくる音が外まで聞こえた。
・・・そんなに急がなくてもいいのにな。
するとすぐにドアが勢いよく開いた。
「よッ!何~?遊びにきたの(笑)?」
「ちょっと違う」
いつもと様子が違う私に気付いたのか、大地はこっちまで歩いてきた。
「はい、これ。どーぞ」
手紙をそっと渡す。
「?サンキュー。読んでい?」
大地はやっぱり鈍くて、何の疑いもなく封を切る。
生きてる中で、一番緊張した。