レモン・キャンディー【短編】
その日から、あたしは大地をあきらめようって
彼女とうまくいくように応援してあげようって
精一杯頑張った。
「莉子~ッ 回覧板よろしくーっ」
「はい・・・」
なまけもののお母さんに代わって、回覧板を届けにいく。
・・・大地の家に。
あきらめてるつもりなのに、チャイムを鳴らすとき、大地が出ますようにって思ってるあたしがいて、嫌になった。
「おっ!莉子じゃん♪
久しぶり」
大地が出た。
嬉しいような、いたたまれないような。