レモン・キャンディー【短編】
「は、はいっ!回覧板。」
少し早口で言った後、大地に回覧板を渡す。
少しでも一緒にいたくて、なんとか会話つなげなきゃって思った。
なのに。
口から出たのは、1番触れたくない内容だった。
「かっ、彼女さんと、どう・・・?
うまくやってる?」
自分で言って後悔した。
聞いたってどうせ、傷つくだけなのに。
でもあたしは、心のどこかで
『うまくいってないのかも』
なんて淡い期待を抱いていたりもした。
なのに。