恋して愛して


「あ、ううん!平気だから気にしないで?」

「今日の最後に行きたいところ決めてんだー」


大翔君は私の手を握って歩き出した。

「あの…この手は…」

確認はしてみる。

「いいじゃん!デートの時だけこうさせて?」

いつもはなんでも聞いてくれる側の大翔君。

こんな時だけお願いしてくるなんてずるい。



「優衣ちゃん、今は何月?」

「え?12月でしょ?」

急になに聞いてるんだろう…

「そ。12月といえば?」

「クリスマス!」

「正解っ!」


そう言って連れてこられたのは、デパート内の大きくて、綺麗なツリー。

本当に綺麗。

「全体が綺麗に見えるけど、ほんとは一個一個が綺麗なんだよなー」

そういって、飾ってあるオーナメントを見る大翔君。

「大翔君のその考え、素敵だね。」
< 102 / 304 >

この作品をシェア

pagetop