恋して愛して
「あ、ううん!平気だから気にしないで?」
「今日の最後に行きたいところ決めてんだー」
大翔君は私の手を握って歩き出した。
「あの…この手は…」
確認はしてみる。
「いいじゃん!デートの時だけこうさせて?」
いつもはなんでも聞いてくれる側の大翔君。
こんな時だけお願いしてくるなんてずるい。
「優衣ちゃん、今は何月?」
「え?12月でしょ?」
急になに聞いてるんだろう…
「そ。12月といえば?」
「クリスマス!」
「正解っ!」
そう言って連れてこられたのは、デパート内の大きくて、綺麗なツリー。
本当に綺麗。
「全体が綺麗に見えるけど、ほんとは一個一個が綺麗なんだよなー」
そういって、飾ってあるオーナメントを見る大翔君。
「大翔君のその考え、素敵だね。」