恋して愛して
「恭介もたまにはやるな」
翔はサンドイッチを未だに食いながら言った。
俺は敢えて無視した。
「まぁ、あーいうやつもいるっつー事だ。覚えとけよ?」
指で鉄砲の真似をして、俺を打ってきた。
その言葉は銃弾ぐらい刺さってた。
家に帰ると、愛海が騒がしかった。
「あ、恭介お帰り。・・・恭介の言うこと正しいよ。
だから、帰る準備してた」
自分なりに結果出したんだろうな。
「俺も、手伝ってやるよ」
「ありがとう」
俺は愛海の荷物をキャスターケースに詰め込んだ。
意外と荷物は少なかった。
「いつの飛行機に乗るんだ?」
「4月1日だよ」
「は?まだまだじゃねーかよ。片付けてどうする気だよ」
今はまだ2月。片付けには30分程度で済むのに。
「あ、それもそうだよね。まぁ、ここから出せばいいわ」
愛海は頷いてキャスターケースを閉めた。
ドア付近の棚の上を愛海は見てた。
「あ、これ!まだ持ってるんだ。」
「あぁ。」
「このこと、優衣ちゃんに話した?」
「これから」
「ふーん。まぁ。がんばって」
少々投げやりな感じで言われたけど、それぐらいが丁度良い。