恋して愛して
《いま、何してんの》
「あ、えっと…家で、ぼーっと」
《じゃ、今から会えるよな。駅前に1時な。》
プツッ。切られた。
一方的過ぎる。いつも通りなんだけど…
でも、とにかく行くしかない。
チャンスだって思えば大丈夫。
駅前に約束の時間の5分前に到着した。
そのあとすぐ恭介君も来た。
「久しぶり」
電話で聞く声より、ずっと鮮明で低くて。
この声をこの距離で聞きたかった。
「ひ、久しぶり。…元気?」
「まあ、いつも通り」
返事も本当にいつも通り。
「今日はどこ行くの?」
「喫茶店?」
何故か恭介君が疑問系で返事したことが笑えた。
「笑ってくれてよかった」
そう言って笑ってる恭介君。
「私も。」
自然と笑えるようになってきた。
あ、意外と全然平気だ、私。