恋して愛して


「良い気分?男子から注目浴びて」

「うちらのこと、格下とかに思ってるんでしょ?」

「うざいんだよ!」

一人の女が、殴りかかる。

とっさにその手を止める。


「き恭介君…なんでここに?」

さっき「うざい」と言っていた声とまるで別人。

モテたくてしょうがない女の特徴だな。

「女子は卑怯って言うけど、本当だな。
モテたいならまず性格直したら?じゃあな」

言いたいだけ言って、愛海を連れ出す。



「あ、教室に傘忘れた」

「あ?ふざけんな。これだけ待たせといて。

もういい。俺のがある」

相当待たされて俺はかなりぴりぴりしてた。

天気のせいもあったけど。


帰り道、愛海は口を開く。

「このこと、ママとパパに言わないでね。」

「なんで?」

意味が分からない。普通いじめにあってるなら、言った方が良い。

「迷惑なお荷物だって思われたくない…」


あぁ。そのとき納得した。
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