恋して愛して
新1年生は、緊張しながら校門を潜っていく。
私たちもこんな時期があったんだよね。
私なんて、人より緊張しやすかった。
「おはよー!俺らも今日から3年生だな!」
翔君はいつも通りのテンション。
でも前とは違う。
愛海さんがいない。
「愛海がいないと、なーんか変な感じね」
そう。愛海さんは遂にアメリカに行ってしまった。
アメリカに発つ当日、私たちは見送りに行った。
「元気でね!」
「うん。ありがとう!」
愛海さんは明るく言った。
「あーそろそろ時間だ。じゃ、またいつか会いましょ〜」
キャリーケースを引いて、歩き出したと思ったら走って戻ってきた。
私の耳元まで。
「恭介と上手くやってね。約束。」
それだけ言ってまたすぐに、歩き出した。
愛海さん…。