恋して愛して


「委員会大丈夫そう?特に、恭介はどう?寝てないか?」

先生がそう言うのは経験からだろう。

数学の時間も、寝てばっかりだし。


「こいついるんで、なんとか…」

そう言いつつも、あくびをする恭介君。

先生も笑って「また寝てたんだな~、この馬鹿野郎」って軽く毒を吐く。


「ま、行くだけよしとしよう」

先生はどこかに行ってしまった。



「あいつって、優衣によく絡んでこないか?」

「え?ん~、どうなんだろう。」

正直よく分からない。

廊下で会っても必ず話しかけてくるわけでもないし。


「そうか」

無表情でそうかって言われると、ちょっと気になる。

あえて何も聞かないけど。



昼休みが終わる直前に、お手洗いに入る。

個室に入ってる間、他のクラスの子が話し始めた。


「恭介様と、堀先生って、似てなぁい?」

「あー!確かに。あたしもそれは思った」

あ。やっぱり似てるって思う人いるよね。

私は勝手に仲間意識を持ってしまった。


「でも、どう考えても正反対。あの二人」

「恭介様にはあのフレンドリーさはないし。堀先生はクールさが劣ってるし」

劣ってるという言い方に少し引っかかる。

恭介君と堀先生のどちらがかっこいいかと言う話に持って行きたがってる口調。

私はそう感じた。
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