恋して愛して
「恭介君!なにしてるの!?」
帰り道だろうと言うことは、冷静になれば分かる。
でも、あんなこと考えてるときに来て冷静になれない。
「帰り道に決まってんだろ」
当然の返答に、とりあえず頷くしかなかった。
私たちは無言のまま、歩き出した。
あ、そう言えば恭介君の好きなタイプってどんな人かな。
ふと思いついた疑問に、胸がかゆくなってきた。
んー。とっさに愛海さんを思い出す。
綺麗で気配りもできて…私、全然当てはまらないし。
勝手に考えて、勝手に落ち込んでる。
でも、去年のお祭りでは…
去年のことを考えて、急に顔が熱くなる。
急に浮かれて、歩道の段差につまずく。
その瞬間、恭介君に腕を引かれる。
勢いづいて、恭介君の胸にぶち当たる。
今。今こんな状況になっては…!
私は急いで離れる。
「ありがと!あー、私ってほんとに運動音痴。」