恋して愛して
ほかのクラスも行って、グラウンドの近くでやってる屋台にも顔を出す。
花恋の横を通る人たちはみんな、花恋を見るなぁ。
どこに行っても、目に留まる存在だよね。
「え!あのふたり可愛い〜」
「お前、写真にでも誘ってこいよ。」
たぶん私たちと同じ、高校3年生。
他校の男子だと思う。
面倒なことにならなかったら良いんだけど…
なんて思ってる間に、その男の子達は来てしまった。
「ねー!俺らと写真撮ってくれない?」
黙って花恋の様子を伺おう。
花恋に任せきりで申し訳ないけど…
「んー、困る。仮想したまま他校と写真撮れないの〜」
そうだ。そういえば。
この正当な理由を聞いても、引き下がらない。
「いいじゃん!撮ろうよ〜SNSには載せないから」
「俺ら高3だし、思い出作りたいんだよね」
花恋も私も、あからさまに迷惑そうな顔を彼らに向ける。
思い出と聞いて、うっかり「それなら…」なんて言いそうになった。