恋して愛して


大通りの交差点にさしかかったところで、後ろに人気を感じた。

ぱっと振り向いても誰もいない。

気のせいであって欲しい。


しばらく歩いて、とっさにコンビニに入る。


コンビニに中から、外を見てみる。

30代後半くらいのサラリーマンがいた。

私を見るなりニヤニヤし始める。


どうしよう…怖い。

誰かに電話。

一番に思いついたのは、恭介君。

でも、もしかしたらまだ女子といるかもしれないし。

翔君も同じ事言えるよね。

花恋は女子だし。逆にだめ。


私、何もできない。



「あれー、優衣ちゃん?」

恐怖で震えていた私の後ろに立ってたのは、恭介君の声に似た人。

「堀先生…」

「こんなところでこんな時間に何してるの?」

当然の質問を問いかけられる。

でも、いまはそんなことはどうでもいい。
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