恋して愛して
しばらくして、車が止まった。
「あ、携帯かして?」
ほぼ無意識に渡していた。
「何に使うんですか!?」
「電話電話。…あ、もしもし?堀です。君の中武さんをいろんな状況でかくまってます。今から言う所に迎えに来てくれる?」
誰に電話してるのか分からない。
生徒に違いないだろうけど。
「え?なにがあったかは、優衣ちゃんに聞いて?俺から言えることでもないし。
ていうか、早く来てね?一応、教師と生徒なんだから」
そう言って、少し雑に電話を切った。
「はい、ありがと」
「あの、誰に電話を?」
「君の王子様」
それだけ言われて、私の頭はハテナだらけ。
迎えに来てくれた人を見て、その意味をやっと受け取れた。
「あ、きたきた。」
先生は窓を開けて手を振った。
恭介君だ。
「悪いね、こんな所まで」
「いや。それより、優衣」